dramanahibi17 of NORIKO YOSHIDA OFFICIAL SITE

2005年9月より2007年8月まで、仙台市のフリーマガジン『いずみっぷる』に掲載

ドラマな日々 第17回

現代主婦事情  




 このところ、幼稚園児の子供を持つ主婦(や主夫)を主人公にした仕事が続いており、友人知人のコネをたどり、取材をさせてもらっている。お受験用ではなく、都内のごく一般的な幼稚園児のママの一日を知りたかったのだ。彼女たちは、一体どんな毎日を送っているのか。子供のいない私には、未知の世界。リアルが知りたくて、若きママたちに混ざり、幼稚園にお迎えに行ったりして、すっかり気分は20代後半である。だんだん子供たちもなれてきて、お迎えに行くとダダダと走って「ノリコさーん!」と、抱きついてきたりして(ママたちの教育で決して「おばちゃん」とか言わないところがすごい!)かわいいモンである。ふふふ。ママたちはみな小奇麗。私なんか家にいる時は、気づくと全身ユニクロで、すっぴんだったりするのだが、そこは若きママたち。メイクもぬかりなく、カジュアルなおしゃれを楽しんでいる。朝は7時前に起き、家族の食事や弁当を作り、夫を送り出し、掃除洗濯、子供たちを幼稚園に送り、それから2、3時間の合間を縫って自身のスポーツクラブへ。なんともパワフル。ただただ感心するばかりである。まあでもここまでは、なんとなく予想がついた。ところが先日、子供たちのプール教室へ夕方お迎えに行った時のこと。「夕飯つくるの面倒くさいから、みんなで食べよっか! パパも遅いし」ということになり、私もご一緒することに。ママのひとりがおもむろに携帯で予約を入れ始めたのは、チェーンの居酒屋。そういう場所は、個室があり子供たちと一緒でも気楽に入れるのだそうだ。なるほど。本当は無料でカラオケがついている部屋だと、飽きたら子供たちがカラオケで歌っていてくれるので都合がいいらしいが、そこはすでに予約でいっぱい(その部屋もあとで覗いたら、ママと子供たちがいた)。われわれ(大人4人・子供6人)は、その隣の円形テーブルが掘りごたつ式になった10人ほど入れる個室へ。なるほど。ここなら周囲の客の迷惑にもならない。メニューには、焼きそばとかおにぎりとか、子供たちの喜びそうなものもたくさんある。なるほど。もう、なるほどばかりの私である。その時、一人の男のコ(5歳児)が叫んだ。「オレ。ナンコツからあげね!」「オレも!」「オレも!」ゲゲそうきたか!「あとウーロン茶!」「私はねえ~カルピスウォーター」と、シナをつくって美人の5歳女児。「それとコーンバターもね」だって。「ナンコツからあげ好きなの?」とおそるおそる私。「オウ! コリコリしててうまいじゃん」と5歳男児。そうかあ。で、一同、乾杯! 子供たちは、ひとしきりつまみを食べると、なぜかテーブルの下にもぐって、ゲームに興じはじめる。その間、ママ軍団はビールをジョッキでグビグビ! 飲むは食べるは、しゃべるはすごい勢いである。で、時々子供たちが騒ぎすぎると、「コラッ!  静かにしろ!」と、酒の勢いもあってか、ドスの聞いた声で怒鳴りつける。言っておくが彼女たち決してヤンママではない。4年制女子大などを卒業されてOL経験もあるという方々。子供たちは一瞬静かになるが、また騒ぎ出す。すると「ゴラア~~ッ!」とママ。そしてビールグビグビ! 1時間後。ついに一人が床に突っ伏してしまう!「ママ大丈夫?」「平気へーき。朝早かったからさ。ちょっと寝かせて~」大胆にも眠り始める母あり! なにが彼女たちをそうさせるのか。日ごろ家事に追われてストレスがたまっているのか。あっけにとられているうちにお開きとなったのだが、とどめに、小2の男の子が叫んだ。「お兄さん!おあいそしてくださ~い!」 お、面白すぎる。しかし、これを書いても、きっと「こんなウソ臭いシーン書かないでくださいよ」と言われるんだろうなあ。リアルママたちの生態を知らない夫たちには……。それとも知らなかったのは、私だけ? ああ取材してよかった。やはりネタは足で稼がないとね。

*2007年1月号掲載*



























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