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2005年9月より2007年8月まで、仙台市のフリーマガジン『いずみっぷる』に掲載

ドラマな日々 第4回

“おつう”機織り終了。

 

11月末、2ヵ月間のカンヅメから解放され、ようやく「恋の時間」を脱稿しました。(やった~! 今回は、本当に長かったです……。)この冊子が配られる頃には、たぶん最終回のオンエアも終わっていると思います。ご視聴いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
 ドラマ制作の仕事は、100名近くいるスタッフ&役者さんたちとの共同作業。でもその中で、脚本家はたったひとりで、皆が建てる家の設計図を書いているような仕事です。いや、もっと近いのが「鶴の恩返し」かな?〝おつう〟が、夜じゅう機を織っては、明け方、出来上がった織物(原稿)を持って出てきて旦那様(プロデューサー様)にさしあげる……そんな仕事なのです。
 事実、我が家では、私の仕事部屋は〝おつう部屋〟と呼ばれており、私は仕事の前に夫に「決して覗いてはなりませぬ」と、言って部屋に入り、明け方やつれた顔で、フラフラと部屋から出て眠りにつくのでした。今回は、ホテルに入っていたので、夫もさぞ気楽だったことでしょう。夜な夜な織っていた織物も、ようやく10枚出来上がり……。でも、脚本を書き上げた時、いつもちょっと淋しいのは、諸手をあげて皆と一緒に喜べないこと。オンエアもまだ残っているし、それより何より、この原稿を書いている今も、まだ都内のどこかで、皆がこの寒空の下撮影しているのかと思うと、私も人の子、やっぱり気になります。自分のパートは終わったのに、番組制作はまだ終わっていない……。遊びに行くのもなんだか後ろめたいし、落ち着かない。撮影現場に行けば、皆が最後の追込みに神経を集中させピリピリ仕事をしていて、私は完全なる傍観者。脚本家って、ちょっぴり……イヤ、大分孤独な仕事だなあと感じる瞬間です。連続ドラマを書き始めたばかりの頃は、脱稿した翌日、朝起きようと思ったら、体中痛くてベッドから起き上がれなかったり、風邪を引き大熱を出したり、なんてことが年中でしたが、人間経験をつむと図太くなるようで、今は気を抜かずに次の仕事に移行する方法を、なんとなく身につけ、寝込むことも少なくなりました。 そんなわけで、わりと元気に、次の仕事に向けて少しずつ始動している今日この頃。今年は、師匠・倉本聰先生とのフジテレビの「優しい時間」の共同執筆に始まり、映画「涙そうそう」の執筆、そして日曜劇場「恋の時間」と、おかげさまで多忙な年となりました。”おつう”は、たぶん来年も、機を織り続けることでしょう。もしも、それらの作品が皆様のお目にとまることがありましたら、幸せです。来年もいい年でありますよう、心からお祈りしています。


                                *2005年12月号掲載*








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