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Dr.コトー診療所のモデルとなった外科医、鹿児島県甑島・手打診療所の瀬戸上健二郎先生がこんなエッセイを書かれています。

「レジェンドになったDr.コトー」

ぜひ、読んでみてください。

レジェンドになったDr.コトー(2015年10月)

レジェンドになったDr.コトー その2         手打診療所 瀬戸上健二郎

Dr.コトー診療所が始まって何年経っただろうか。今、多くの若者たちが手打診療所にやってくる。この夏も、秋田から東京から、そして富山から筑波から、Dr.コトー診療所を見て医学部に入ったという若者たちだ。子供の時に見た漫画やドラマで人生が変わる。なんと素晴らしいことだろう。青少年に夢と希望をという所期の目的は十二分に達成されたと言っても良いだろう。
たかが漫画だが、今年の夏はお客さんも多く、中にT大教授も見えた。一泊の予定が台風接近で定期船が欠航、2泊する羽目になって、ついでに出張診療と在宅医療もやってもらった。T大教授の出張診療と在宅医療は手打診療所にとって記念すべき出来事だったが、その教授が、言われるには、T大の学生は優秀だけどなぜ医学部に入ったかがわからない生徒がいる。それに比べると漫画やドラマに感動しての医学部も立派な動機ですね、と。かつてベンケーシーに憧れて医師になった人々は古希を迎え、今、我が国の医療の最先端を支えているのはブラックジャック世代だろうか。Dr.コトー世代はまだ卵だが、将来、どんな活躍をしてくれるか楽しみで、離島へき地医療でも活躍してくれるものと信じたい。
横道にそれたが、コンサートが終わると、吉俣さんとその仲間たちを囲む打ち上げに参加する。コンサートに飛び入り参加で歌った歌手兼女優の薬師丸ひろ子さんも見えている。さすがに華がある。
打ち上げを終えると、東京からサプライズ参加していた漫画家の山田さんと脚本家の吉田さん、それに役場職員のMさんの4人で、Dr.コトー同窓会と称して天文館へ繰り出す。山田さんの酒豪ぶりは相変わらずで、気が付いた時には午前3時を過ぎている。しかし酒豪の目はさえている。レジェンドの話をすると、「レジェンド?」と、まだ現在進行形なのにと言わんばかりに首をかしげて怪訝そうな顔。そうなんだ、Dr.コトーの生みの親は山田さんだ。自分の中ではDr.コトーは終わったつもりでも、山田さんの中では前編が終わったばかりで、まだDr.コトーをして語らしめたいことがあるのだろう。この夜、山田さんが最も興味を示した話題はターミナルケアだったが、他にも離島医療と総合診療や、老化と外科医の問題などなど、話題は尽きない。外科医と老化は、自分にとっては今足を踏み込んだばかりの未体験ゾーンだが、Dr.コトーも必ず直面する問題だ。日進月歩の医療の中で地域住民のニーズと時代の要請は常に右肩上がりで、とどまることを許さない。しかし何時かはそれに応えられなくなると、おもて舞台から消えるしかない時が来るだろう。
久しぶりの天文館で、時間の経つのを忘れるぐらい楽しいにわか同窓会だったが、流石の酒豪も少し年を取ったのか、最後は少し言葉がもつれていた。





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